● 注目店・話題店 ●
No.0010 2005/05/18
ピッツェリア マルデナポリ 世田谷本店
松山から東京に進出した1号店が、住宅立地で大ブレーク
店舗はブルーとクリームの色使いが印象的な独立型の建物。世田谷区の用賀中町通り沿いに立地。
店舗はブルーとクリームの色使いが印象的な独立型の建物。世田谷区の用賀中町通り沿いに立地。
 東京・世田谷区用賀の住宅街に、明るいブルーとクリーム色が印象的な2階建てのレストラン「ピッツェリア マルデナポリ 世田谷本店」が、2004年7月22日にオープンした。イタリア・ナポリの海辺のレストランというイメージの内外装は、バス路線でもある用賀中町通り沿いで目を引く。ファミリーレストランよりおしゃれで、本格的なイタリア料理店より気軽に、子供から年配者まで楽しめるとあって、地元の幅広い女性客の圧倒的な支持を得ている。東急田園都市線用賀駅から徒歩3分ほどの場所にあり、お客は徒歩で、車で、あるいは自転車で訪れ、終日コンスタントに集客している。
 経営元は愛媛・松山に本社を置く㈱タケシカンパニー(米屋武史社長)で、今後の東京での展開の旗艦店と位置づけ、世田谷本店と名づけた。89年設立の同社は、イタリアン、欧風家庭料理、和風創作料理、カフェ・ケーキショップなど12業態28店舗を運営している。マルデナポリは、97年に出店した「トラットリア マルデナポリ」が1号店で、その後はピッツェリアとして展開。05年2月現在で直営3店、FC9店を擁する、同社の代表的な業態である。FC店は四国・中国・九州に点在するが、CKは持たず、ソース類も含め全商品を各店舗で手作りしており、店舗デザインも1店ずつ異なるのが特徴だ。主力商品のピッツァにしても、薪窯で焼くモチモチした食感のナポリ風ピッツァを提供している店舗と、パリッとクリスピーなローマ風ピッツァを提供している店舗とがあり、商品構成も一律ではない。世田谷本店は、ナポリ風ピッツァ13品目(900~1,380円)、パスタ21品目(780~1,300円)のほか、前菜、ピラフ、肉・魚料理など、ほぼフルラインナップで営業しており、客単価は、昼1500円、夜2000円となっている。
明確な特徴のあるピッツァ、ケーキは、テイクアウト販売も好調
 ナポリ風ピッツァの生地も店内製造で、450℃という高温の薪窯で1分~1分半で焼き上げるため、表面がパリッ、中はモチッとした食感になる。窯の中での火の当たり具合を調整しながら、表面に比較的しっかりした焦げ目をつけ、薪特有の香ばしい風味を加味し、印象的な味わいに仕上げている。
 また、店内に工房を併設し、常時15種ほどを製造販売している手作りケーキ(400~480円)も重要なアイテムである。繊細な装飾をほどこしたケーキではなく、見た目も味わいも素朴で、ボリューム感のあるタイプだ。この手作りケーキによりアイドルタイムの喫茶利用が強化されており、また、ピッツァとケーキはテイクアウト販売も行なっている。
「当社では、急速に多店舗化を進めるのではなく、東京でも1店1店じっくりつくっていこうという考えです。当店も、地域のお客さまに末長く愛される店を目指していきたいです」
 と、有光浩全(ありみつ ひろまさ)店長は語る。
 地方の飲食企業が東京に進出する際、まず都心の繁華街を狙うことが多いが、同社ではあえて住宅立地を選んだ。地方都市で培った、幅広い客層に高頻度で利用してもらえる店作りのノウハウが、世田谷本店の繁盛ぶりにも発揮されているといえよう。
看板商品は店内の薪窯で焼き上げるナポリピッツァ。生地も店内で製造している。 ●店舗データ●
住所:東京都世田谷区用賀2-29-20
TEL:03‐3707‐0511
店舗規模:120坪141席
営業時間:11:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:なし
看板商品は店内の薪窯で焼き上げるナポリピッツァ。生地も店内で製造している。