Food Biz WEB エフビー短信   No.0419

2020/09/25
JFの外食市場動向調査(2020年8月度)

<全体概況>
8月は、前月から再び拡大し始めたコロナ感染によって、月前半を中心に客足が振るわず、外食全体の売り上げは7月の結果には及ばず84.0%と、回復傾向は頭打ちとなった。東京都など自治体が飲酒業態に営業時間短縮を要請したこと、お盆の帰省を自粛する人が多かったこと、小中学校の夏休み期間が短縮されたことなどがマイナス要因となった。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・FFSは、業種間で回復に差があったが、テイクアウト・デリバリー需要が好調な洋風に支えられる形で、全体売り上げは96.6%と、前月(96.4%)とほぼ変わらない。
・「洋風」は、キャンペーンなどの好調に加え、コロナ感染の再拡大による巣ごもり需要が続き、ドライブスルー等でのテイクアウト・デリバリーが好調で、売り上げは108.2%。「和風」は、都心部での需要の回復が遅れ、売り上げは92.0%。「麺類」は、引き続き商業施設立地店の回復が遅く、売り上げ80.8%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、店内飲食の戻りが停滞し、猛暑でシニア層の客足が鈍るなどで、売り上げは前月の94.7%から91.8%へ。「その他」は、「アイスクリーム」が猛暑で善戦し、売り上げ90.3%と少し回復の傾向がみられた。

■ファミリーレストラン業態
・FRは、月前半を中心に客足が弱く、全体売り上げは前月(77.4%)に及ばず、75.1%となった。
・「洋風」「和風」「焼肉」は、コロナ感染の再拡大で例年のお盆や夏休みの需要が激減したことから、売り上げはそれぞれ70.9%、70.8%、85.6%と回復にブレーキがかかった。一方、「中華」は、テイクアウト・デリバリー需要の支えもあり、売り上げ89.7%と前月並みの前年比となった。

■パブ・居酒屋業態
・飲酒業態は、月後半にやや回復傾向がみられたものの、前月からのコロナ感染再拡大の中、飲酒業態への営業時間短縮要請などにより、月前半は多くの店で客足が激減、7月には前年同月の5割近くまで回復していた業態全体売り上げが41.0%に落ち、「パブ・ビアホール」は売り上げ36.4%、「居酒屋」は42.3%と、壊滅的な状況が続いている。

■ディナーレストラン業態
・ディナーレストランも、テイクアウト需要の掘り起こしなどで回復傾向のところもあったが、パブ・居酒屋と同様に月前半を中心に客足が振るわず、売り上げは65.1%と足踏み状態。

■喫茶業態
・ビジネス街立地での不振が続き、顕著な回復はみられず、売り上げは67.8%となった。