Food Biz WEB エフビー短信   No.0430

2021/09/29
JFの外食市場動向調査(2021年7月度)

<全体概況>
7月は「緊急事態宣言」または「まん延防止等重点措置」が沖縄、大阪、首都圏などに適用され、下旬には原則無観客五輪が始まり、持ち帰り需要が強みのファストフードが外食全体を牽引した。全体売り上げは前年を少し上回った(102.1%)ものの、コロナ禍前の一昨年の86.3%にすぎない。営業時間と酒類提供の制限が厳しい中で、パブ・居酒屋業態の深刻な状況は延々と続いている。

<業態別概況>
■ファストフード業態
●ファストフードは、全ての業種で前年よりは良くなり、全体の売り上げは前年比108.6%、コロナ以前の一昨年比でも103.9%であった。
●「洋風」は、五輪の自宅観戦でテイクアウトとデリバリーが増え、売り上げは115.8%。「和風」は、一部大手の積極的なメディア露出もあり、売り上げは101.0%。「麺類」は、持ち帰り需要とイートインの戻りで全体売り上げ103.4%。「持ち帰り米飯・回転ずし」も、暑さと五輪の自宅観戦でテイクアウト需要が増え、売り上げは104.4%。「その他」は、「アイスクリーム」が昨年より半月ほど早い梅雨明けを味方につけ、売り上げ104.2%となった。

■ファミリーレストラン業態
●FRは、営業時間短縮や酒類提供禁止をテイクアウトやデリバリーでカバーしきれず、売り上げは“コロナショック”が始まった昨年の93.5%、一昨年対比では71.2%となった。
●「洋風」「和風」ともに五輪の自宅観戦で持ち帰り需要があったものの、売り上げは「洋風」95.9%(一昨年比69.4%)、「和風」は91.3%(一昨年比66.2%)に留まった。「中華」は、一部店舗は前年を超えたが、売り上げは99.0%。「焼き肉」は、酒類提供制限下で休業を選択した店も多く売り上げ86.5%に留まった(一昨年比は80.4%)。

■パブ・居酒屋業態
●酒類提供の禁止あるいは時間制限が続き、「パブ・ビアホール」の売り上げは57.4%、「居酒屋」は62.6%となった。
●パブ・居酒屋業態全体では前年の売り上げの61.5%となったが、一昨年比ではわずか30.0%となる。

■ディナーレストラン業態
●ディナーに付き物の酒類提供や夜間営業の制限で、休業に追い込まれる店もあり、売り上げは88.3%(一昨年比では57.8%)と依然厳しい。

■喫茶業態
●緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の下でも、人流の減少率はさほどでもなさそうで、売り上げは105.8%となった(一昨年対比では72.1%)。