Food Biz WEB エフビー短信   No.0434

2022/01/01
JFの外食市場動向調査(2021年11月度)

<全体概況>
全国的に約1年ぶりに営業時間短縮要請が解除され、酒類提供の制限も無くなり、好調が続くFF洋風の牽引で全体売り上げはほぼ前年並みの99.8%、一昨年比で91.8%まで回復した。飲酒業態は前年比96.8%と回復の兆しが見える。11月は希望を取り戻した一カ月だが、新しい生活様式の表れか、夜間の客足は鈍い。特に飲酒業態は一昨年比では51.9%と、コロナ前の半分にしか戻っておらず、マーケット回復に向け課題が多い。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・FFSは引き続き「洋風」がけん引し売り上げは前年比101.9%、コロナ禍前の前々年比では103.1%となった。
・「洋風」は時短解除により他業態に顧客が流れる動きもあるが、依然テイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが堅調で売り上げ103.6%、コロナ禍前の一昨年対比では115.2%となった。「和風」は、来客が戻り新商品も好調で、売り上げは102.4%となった。「麺類」は、昼時の来店が復調し、全体売り上げ99.6%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「持ち帰り米飯」業態においてパック詰めによる商品提供が好評であったものの、要請解除による他業態への顧客流出もあり売り上げは前年比97.7%となった。「その他」は、「カレー」で持ち帰りが好調、「アイスクリーム」は各商業施設のブラックフライデーの販促などから、売り上げ102.8%であった。

■ファミリーレストラン業態
・FRは全体売り上げは95.2%、「洋風」は時短要請から解除されたものの夜間の客足が鈍く、売り上げは94.9%となった。「和風」は特に夜間の集客に苦労し93.1%。一方「中華」は、引き続き持ち帰りが好調で、かつ若年女性などへ顧客層を幅広く拡大させ、売り上げ100.7%。「焼き肉」は、夜間来客の戻りが遅いことに加え、以前の営業時間帯に合わせた労働力確保が追い付かず、前年比では売り上げ94.3%となった。

■パブ・居酒屋業態
・飲酒業態は深夜まで開店可能になったことによる集客効果があり、回復の兆しが見える。パブ・居酒屋業態全体の売り上げは前年比96.8%、一昨年比では51.9%。「パブ・ビアホール」の売り上げはコロナ第3波が発生しはじめた前年を超え111.4%(一昨年比54.2%)、一方「居酒屋」は91.0%(一昨年比50.8%)と業種間で差が生じた。

■ディナーレストラン業態
・飲酒業態と同様、時短要請の解除で客足が戻りはじめ、売り上げは100.7%(一昨年比では80.0%)になった。酒類の解禁や持ち帰り需要も寄与し回復傾向となったが、団体需要は依然芳しくない。

■喫茶業態
・新型コロナの新規感染者数が落ち着いたことで、商業施設や繁華街の店舗で人の流れが戻り、売り上げは105.2%となった(一昨年対比では77.7%)。