Food Biz WEB エフビー短信   No.0436

2022/02/28
JFの外食市場動向調査(2022年1月度)

<全体概況>
2022年1月の全体売り上げは2021年1月比で112.2%となったが、これはあくまでも2回目の緊急事態宣言で売り上げが大きく落ち込んだ2021年1月の前年同月比(79.0%)からやや回復したことを意味するにすぎない。
昨年末のコロナ感染者数減を受けて年始は個人や家族客に回復の兆しが見られたが、新変異種「オミクロン株」の出現で再び感染者が急増した。1月9日以降は各地でまん延防止等重点措置が適用され、特に店内飲食中心のレストラン業態・飲酒業態が失速、全体売り上げはコロナ禍前の19年比で88.5%となった。また従業員家族などの感染もあり、店舗の人員確保にも影響が及んでいる。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・FFSの全体売り上げは店外消費の下支えもあり、コロナ禍でも好調を維持し、2021年1月対比で106.2%、19年1月比でも106.7%となった。
・「洋風」はテイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが変わらず堅調、新メニューも好調で売り上げ105.9%(19年比124.1%)。「和風」も、新商品が引き続き好調で、売り上げは105.8%(19年比100.0%)。「麺類」は、前年の緊急事態宣言下で酒類が19時までに制限され売り上げを大きく下げた「らーめん」等の反動もあり、2021年1月比104.5%となるも苦戦は変わらず、19年比では79.2%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」のキャンペーンやデリバリーの拡充等が寄与し、売り上げは106.9%、19年比でも99.9%となった。「その他」は、「カレー」が昨年ほどの落ち込みは見られず、また「アイスクリーム」がテイクアウト販売に工夫するなどで好調を維持、売り上げ111.0%となった(19年比97.2%)。

■ファミリーレストラン業態
・FRの全体売り上げは、大きく下げた2021年1月(対20年1月比65.4%)からの戻りは鈍く、2021年1月比で120.1%となるも、19年比では76.4%に留まった。
・「洋風」は、年始の期間限定メニュー等のキャンペーンが好調だったが、その後失速し、売り上げは2021年比120.6%(19年比70.6%)。「和風」も、年初の家族宴会などの好調から一転、オミクロン株の感染拡大で失速し、緊急事態宣言が出た2021年1月対比で119.1%、19年比では70.9%。一方「中華」は、テイクアウト等の下支えが引き続き堅調で、売り上げ111.3%、19年比も98.3%となった。「焼き肉」は、2021年1月ほどの休業店舗数には至らず、売り上げ130.3%、19年比で90.2%となった。

■パブ・居酒屋業態
・2022年1月は、緊急事態宣言の影響を受けた昨年同月と比べると154.8%と一見大幅増に見えるが、コロナ禍前の19年対比では35.0%とコロナ以前への回復には程遠い。年初は新年会需要なども見られたが、その後は予約キャンセルが相次ぎ、まん延防止等重点措置の適用以降は休業する店舗もあった。業種別に見ると、「パブ・ビアホール」の売り上げは昨年同月比182.6%(19年比38.1%)、「居酒屋」は昨年同月比145.6%(19年比33.9%)であった。

■ディナーレストラン業態
・家族などのグループ需要はあるが、法人の新年会はほとんど見られず、売り上げは激減した昨年同月の反動で136.7%になったが、19年比では65.2%と苦しい状況が続いている。

■喫茶業態
・全国各地で実施されたまん延防止措置により、特に都市部や商業施設、観光地で大きな影響を被り、売り上げは昨年同月比119.9%(19年比71.7%)。