Food Biz WEB エフビー短信   No.0437

2022/03/29
JFの外食市場動向調査(2022年2月度)

<全体概況>
2月は、新型コロナ(オミクロン株)の新規感染が全国的に広がり、先月からのまん延防止措置は最大36都道府県へと適用が拡大した。外食の全体売り上げは大都市圏に緊急事態宣言が発令された前年同月と比べると104.8%となったが、FFを除く業態では需要の低迷傾向が続いており、全体売り上げの一昨々年比は84.5%と、コロナ以前との差はまだ埋まらない。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・FFSは、テイクアウトが生活スタイルとして定着しつつあり、売り上げは前年比107.1%。
・「洋風」は、物流の混乱によるフライドポテト供給の有無が各社の売り上げに影響した面もあるが、持ち帰り全般が好調で、売り上げ113.0%。「和風」は、持ち帰りや月替わり商品等の好調で105.6%。「麺類」は原材料費高騰などによる価格改定もあり、全体売り上げ102.1%となるも一昨々年比では71.3%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」の恵方巻キャンペーンは比較的堅調であったが、緊急事態宣言下の昨年の好調には及ばず、売り上げは98.9%。「その他」は、「カレー」で営業時間短縮店舗が増加し、売り上げ97.8%、一昨々年比で87.0%となった。

■ファミリーレストラン業態
・FRは、まん延防止措置の適用が全国的に拡大したことから売り上げは前年を下回り99.3%、コロナ前の一昨々年比では67.9%と低迷している。
・「洋風」「和風」は、感染者数が減少傾向に入った下旬には客足回復の兆しが見えたものの、まん延防止措置による営業時間短縮、アルコール類提供の制限が響き、「洋風」は売り上げ96.3%、「和風」は売り上げ99.2%となり、一昨々年比ではそれぞれ61.1%、64.2%と足踏み状態。「中華」は、デリバリー対応店舗の増加やメディア露出が奏功し、売り上げ106.6%。「焼き肉」は、営業時間短縮等により繁華街立地で落ち込みが見られたものの、店舗の増加などにより、売り上げ100.8%、一昨々年比では73.6%まで戻した。

■パブ・居酒屋業態
・昨年も緊急事態宣言下にあったか、今年だけまん延防止措置が適用されたか、地域によって営業制限の度合いが異なり、企業の売り上げ前年比にも差が出た。「パブ・居酒屋」全体では、休業店舗もあった昨年と比べると、売り上げは108.8%となったが、店舗減少と営業制限の連続でコロナ禍前の一昨年比ではわずか22.7%である。「パブ・ビアホール」の売り上げは123.0%と飛躍的に伸びたように見えるが、一昨々年比では27.8%。「居酒屋」も売り上げ105.0%、一昨々年比21.4%に終わった。

■ディナーレストラン業態
・まん延防止措置では、酒類提供時間が緊急事態宣言下より1時間緩和された地域もあり、一部店舗では夜間の来客が昨年より増加し、売り上げは101.9%。一方、同措置は全国的に広く適用されたことから、適用対象外でも自粛する地域も見られ、売り上げはコロナ禍前の一昨々年の50.7%にとどまっている。

■喫茶業態
・休業店舗が多かった昨年の反動で、売り上げ104.0%となったが、ターミナル駅周辺の店舗の不調、不採算店の閉鎖などもあり、売り上げの回復はまだ遠い。