Food Biz WEB エフビー短信   No.0444

2022/11/12
JFの外食市場動向調査(2022年9月度)

<全体概況>
9月の外食産業の売り上げは、新型コロナ第7波が峠を越え月後半にかけて客足に回復の動きが見られたことで、「緊急事態宣言」等の影響を受けた前年を上回り、全体売り上げは119.7%、19年比でも94.1%と、8月よりも明るい兆しが見えてきた。飲酒業態はコロナの打撃が大きく苦境が続くが、宴会などの顧客獲得に向けて情報発信を再開している。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・コロナに起因するテイクアウト・デリバリーの売り上げ増は一段落の気配だが、売り上げ自体は引き続き堅調で、加えて店内飲食の回復もあり、全体売り上げは108.2%、19年対比では108.3%となった。
・「洋風」は、ドライブスルーの増設等とキャンペーン商品の強化で売り上げを伸ばし、104.6%とコロナ以前よりも好調。「和風」は、期間限定メニューが奏功し売り上げ111.1%。「麺類」は、昼間を中心に都心部の店内飲食が復調し、売り上げ120.5%、19年比は88.2%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、回転寿司で値上げをしない安い価格設定が支持され、売り上げ106.8%となった。「その他」は、「アイスクリーム」が大規模施設や繁華街の売り上げを伸長し113.3%となったが、19年対比では87.0%であった。

■ファミリーレストラン業態
・全体売り上げは132.1%と、前月よりは上向いているものの、平日を中心にした夜間の集客が依然として不振であり、19年比では81.2%に留まった。
・「洋風」は売り上げ122.7%、「和風」は139.3%となったが、九州・四国・中国地方で台風14号の被害が大きく、夜間の集客も振るわず、そもそも深夜帯の営業時間が減少していることなどから、19年比では「洋風」71.2%、「和風」82.3%に留まっている。「中華」は、持ち帰りと店内飲食がともに好調で、売り上げ124.3%。「焼き肉」は、コロナ感染の減速にともない大都市圏店舗が好調で売り上げ167.7%、19年比でも104.4%となった。

■パブ・居酒屋業態
・昨年はほとんど営業できない店舗が多かったため、営業制限のない今年の売り上げ比は568.8%と大幅に伸びたが、コロナ以前の19年比では53.7%にすぎず、小規模宴会の需要は少しずつ戻りつつあるものの依然厳しい。

■ディナーレストラン業態
・個人需要が戻り、売り上げは164.9%だが、平日夜間の法人需要がなかなか戻らず、コロナ感染の拡大に対応が追いつかなかったところもあり、19年比は80.5%に留まった。

■喫茶業態
・売り上げは前年比128.2%となったが、シルバーウィーク連休の悪天候や台風の影響で、営業できなかった店舗もあり、19年比では80.1%であった。