Food Biz WEB エフビー短信   No.0447

2023/01/26
JFの外食市場動向調査(2022年12月度)

<全体概況>
12月は、コロナの新規感染者数が増加傾向の中、年末にかけて個人客や家族客の外食需要が増え、価格改定の後押しもあり、外食の全体売り上げは前年比108.6%、19年比で100.6%となった。しかし、夜間需要や大人数の忘年会需要は戻らず、FR、DR、飲酒業態など店内飲食中心の業態は、コロナ前の売り上げに届かない状況が続いている。特に店舗数が19年の7割台に減少した「パブ」と「居酒屋」は、売り上げも19年比では5~6割台となった。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・全体売り上げは110.6%、19年比で112.2%となった。
・「洋風」は、クリスマス前後の季節商品の販売が好調で、売り上げは113.2%となった。「和風」は、テレビCM効果や季節限定メニューの好調により、売り上げ106.7%。「麺類」は、価格改定と客足の回復で売り上げ112.2%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」の年末需要が増加し、売り上げ108.1%。「その他」は、「アイスクリーム」がクリスマス用のアイスケーキに加えてイートイン消費も好調で、「カレー」は一部商品の値上げがあり、売り上げ106.4%。

■ファミリーレストラン業態
・全体売り上げは前年比104.7%、19年比では93.7%となった。
・「洋風」は、単価が高めの販促メニューの好評や年末集客の好調などにより、売り上げ104.4%。「和風」は、年末に家族客が増え、売り上げ105.5%。「中華」は、価格改定による客単価増と、店内需要、店外需要がともに好調で、売り上げ107.4%。「焼き肉」は、年末の家族客を中心に底堅い支持があり、売り上げ102.3%となった。

■パブ・居酒屋業態
・コロナの新規感染者数が増えたが、インバウンド客を含む来客数への影響は限定的で、飲酒業態全体の売り上げは前年比で108.3%となった(「パブ・ビアホール」119.4%、「居酒屋」103.3%)。しかし、忘年会シーズンにもかかわらず二次会など遅い時間帯の来店は減り、また、コロナ第8波のピークを警戒してか、企業の大口宴会はキャンセルが続き、「パブ・居酒屋」の売り上げは19年比で58.6%にとどまった。

■ディナーレストラン業態
・企業の忘年会需要は得られなかったが、少人数の客が増え、売り上げは108.8%となった。だが、店舗の人手不足により最少人数の店舗運営をしているところもあり、予約や来店があっても応じきれない例が増えている。
■喫茶業態
・年末の客数が増えて、売り上げは前年比108.3%。ただし、オフィス立地の店は勤労者の働き方の変化を反映して売り上げ回復が頭打ち傾向となっている。