Food Biz WEB エフビー短信   No.0448

2023/03/31
JFの外食市場動向調査(2023年1月度)

<全体概況>
1月は、昨年のような営業制限が無く年始需要が好調で、外食全体の売り上げは115.3%となった。コロナ第8波は上旬にピークを迎えたが、外食への影響は比較的少なく、19年比の売り上げは104.2%と、コロナ前を上回った。だが、これまでのJF調査結果から推定すると、外食全体の客数は19年比で90%程度にとどまっている。現在の売り上げは原料高と光熱費の高騰等に起因する客単価上昇の結果と考えられ、外食企業の経営状況は変わらず厳しい。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・全体売り上げは110.2%、19年対比では117.9%となった。
・「洋風」は、期間限定商品、季節商品などのフェアメニューが好評で、売り上げ111.3%、19年対比では139.7%となった。「和風」は、引き続きテイクアウト・デリバリーの堅調で売り上げ109.6%。「麺類」は、商業施設立地店舗の集客回復などで、売り上げ117.4%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」の年始のテイクアウトが好調で、また、主力メニューの価格据え置きが奏功したところもあり、売り上げ105.1%となった。「その他」は、「アイスクリーム」のキャンペーン商品のテイクアウトが好調で、売り上げ105.6%となった。

■ファミリーレストラン業態
・全体売り上げは前年比119.6%、19年比では96.3%となった。
・行動制限のない正月となったことで年始の家族客が増え、「洋風」は売り上げ117.7%、「和風」は売り上げ123.2%。「中華」は、テイクアウト対応の強化により売り上げが堅調に推移し118.2%。「焼き肉」は、郊外店舗が引き続き好調で、売り上げ122.7%となった。
■パブ・居酒屋業態
・「パブ・居酒屋」は、酒類の提供制限があった昨年との対比では売り上げは159.0%だが、19年比では売り上げ58.1%と、前月(12月)の19年比(58.6%)とほぼ変わらず、売り上げの回復に頭打ち感が出ている。コロナを気にしない個人客の来店は増えたが、企業・団体等の宴会自粛の傾向は続いており、飲酒業態の復調を難しくしている。

■ディナーレストラン業態
・個人客の宴席は引き続き回復傾向にあり、全国旅行支援やインバウンドの増加で需要が回復した店舗も見られ、売り上げは134.0%となったが、法人宴会や夜間の集客は戻らず、19年比では85.0%となった。
■喫茶業態
・営業時間制限の無い今年の売り上げは前年比119.6%となったが、オフィス街はテレワーク等の定着で客足が戻らず、19年比では85.6%であった。