Food Biz WEB エフビー短信
No.0449
2023/03/31
JFの外食市場動向調査(2023年2月度)
<全体概況>
2月の外食全体の売り上げは前年同月比123.5%、19年比でも103.8%となった。一つには、コロナ感染の収束傾向、気温の上昇、マスク緩和への動きなどによる人流の増加が大きな要因だが、しかし、もう一つの要因は、前月に引き続き原材料費、光熱費、物流費等の高騰により値上げせざるを得ない事情があったからで、実質利益の観点からは依然として厳しい経営状況が続いている。
<業態別概況>
■ファストフード業態
・全体売り上げは110.2%、19年対比では116.3%となった。
・「洋風」は、価格改定が相次ぐ中で、バリューキャンペーンが好評で、売り上げ105.4%となった。「和風」は、朝食クーポンの配布などで固定客獲得に努め、売り上げ112.4%。「麺類」は、客単価上昇と客数回復で、売り上げ129.6%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、複数の回転寿司店をターゲットにした迷惑動画が一部店舗の客足に影響したが、値上げによる客単価の上昇で売り上げ108.1%となった。「その他」は、「アイスクリーム」の店内・持ち帰り双方の増量キャンペーンが好評で、売り上げ116.8%となった。
■ファミリーレストラン業態
・全体売り上げは前年比139.0%、19年比は95.1%となった。
・「洋風」は、年明けからの堅調な流れが続き、また価格据え置きの施策やお得なクーポンアプリなどが若い家族客をはじめ価格敏感層に訴求し、売り上げ140.2%。「和風」は、気温上昇に伴い客数の増加が顕著で売り上げ146.3%。「中華」は、好調なテイクアウトに加え、メディア露出効果もあり、売り上げ118.5%。「焼き肉」は団体客の戻りも見られ先月から客足好調で、売り上げ148.2%となった。
■パブ・居酒屋業態
・「パブ・居酒屋」は、昨年のような営業規制がとれ客足の戻りが回復基調で、売り上げ283.9%と大幅に増加した。個人客やインバウンド需要の回復傾向に加え、企業等の大きめの宴会も少しずつ増えている。19年比では売り上げ64.5%と、前月(1月)の19年比58.1%より6ポイントほど上昇した。
■ディナーレストラン業態
・大企業の大規模な宴会は戻らないものの、個人客に加え、国内旅行の団体客やインバウンド客などが少しずつ戻り客単価が上昇、売り上げは169.4%となった。ただ、人手不足で需要に対応しきれないところもあり、19年比では88.9%となった。
■喫茶業態
・月後半を中心に客足が伸びたものの、オフィス街や夜間の来客はまだ戻りが弱く、売り上げは前年比140.3%、19年比89.2%となった。