Food Biz WEB エフビー短信   No.0453

2023/07/26
JFの外食市場動向調査(2023年6月度)

<全体概況>
6月は、5月のコロナ5類移行を受けて外食消費がようやく回復基調に入り、インバウンド需要の増加もあり、全体売り上げは111.8%、コロナ前の19年対比でも103.5%となった。だが店舗数はいまだ19年レベルに回復しておらず、特に「パブ・居酒屋」はいまだ19年比68.6%と、コロナを境に事業基盤が大きく揺るがされたままとなっている。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・全体売り上げは111.2%、コロナ禍前の19年対比では115.6%となった。

「洋風」は、期間限定の新商品が好評で売り上げ堅調、108.4%。「和風」は、一部でシニア層の店内飲食への戻りがあり、売り上げ117.9%。「麺類」は、都心のビルインやSC立地店舗の回復基調などで、売り上げ113.1%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、父の日前後の「回転寿司」が好調で、売り上げ108.3%。「その他」は、月前半に気温が高く「アイスクリーム」が好調、また都心部の繁華街やSCへの人流が回復したことで、売り上げは113.1%。

■ファミリーレストラン業態
・全体売り上げは前年比111.8%、19年比は93.9%となった。
・立地によっても異なるが、全体としては持ち直し基調が継続、閉店時間を遅くする店舗も徐々に増え、「洋風」は売り上げ111.9%、「和風」は売り上げ111.4%。「中華」は、店内・店外ともに客足堅調、売り上げ111.6%。「焼き肉」は、各社で差があるものの、「郊外立地店」の一部は好調を維持、売り上げは112.4%となった。

■パブ・居酒屋業態
・「パブ・居酒屋」の売り上げは前年比114.7%、19年比で66.1%となった。夕方からの早い時間帯では、客足が19年を上回るところもある一方で、夜遅い時間の客足の戻りはまだ鈍いなど、賑わう時間帯が変化している。コロナ禍で繁華街やオフィス街の店舗閉鎖も多く見られるが、存続の店舗では大きめのグループ宴会が少しずつ戻るなど、経営環境には明るい兆しも見え始めている。

■ディナーレストラン業態
・入国制限の緩和以降、インバウンドの回復が続いており、1回あたり利用金額も大きく、客単価上昇にも寄与している。コロナの5類移行後、企業や団体の宴会も少しずつ戻り、売り上げは113.0%、19年比では売り上げ91.5%となった。
■喫茶業態
・観光地などを中心に、商業施設やオフィス街でも人流の回復が続き、売り上げは116.0%、19年比で96.7%となった。