Food Biz WEB エフビー短信   No.0455

2023/09/30
JFの外食市場動向調査(2023年8月度)

<全体概況>
8月は、コロナ5類移行後の初めての夏休みシーズンとなり、旅行やお盆の帰省などで人流回復がさらに進んだ。お盆期間後半に台風の影響があったものの、猛暑で季節メニューが引き続き好調だったこと等もあり、外食全体の売り上げは116.6%、19年比では105.2%となった。原発処理水問題で、中国人訪日客の戻りは少ないが、インバウンド需要全体は堅調が続いている。だが店舗の人手不足は常態化しており、特にピーク時間帯での不足感は大きい。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・全体売り上げは111.6%、コロナ禍前の19年対比では116.8%となった。
「洋風」は、恒例の季節商品の好評などにより、売り上げ109.0%。「和風」は定番メニューの堅調に加え、深夜営業を再開する店舗もあり、売り上げ116.2%。「麺類」は、季節の新商品やラーメン業態のビール販売が好調で、売り上げ118.1%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」がお盆の帰省需要などで地方の売れ行きが伸び、売り上げ106.1%。「その他」は、「アイスクリーム」が猛暑による需要増で、売り上げは119.2%となった。

■ファミリーレストラン業態
・全体売り上げは前年比121.1%、19年比は96.4%となった。
・お盆期間を中心に夏休みの家族連れ需要が堅調。「洋風」は、価格訴求型のキャンペーンが奏功し、売り上げ121.9%。「和風」は、お盆の宴会が堅調で、売り上げ122.4%。「中華」は、ファミリー客の増加で、売り上げ117.6%。「焼き肉」は、夏休みで大学生等の若年層の集客があり、売り上げは119.4%となった。

■パブ・居酒屋業態
・「パブ・居酒屋」は、ビジネス街立地の店舗では、猛暑で昼間の集客が鈍り、お盆明けの客の戻りも振るわなかったが、ターミナル駅や商業施設の店舗は帰省客などの需要が旺盛で、売り上げは前年比150.3%、19年比で66.5%となった。

■ディナーレストラン業態
・お盆の個人客の宴会が堅調であったことに加え、インバウンド需要も原発処理水問題で一部にためらいが見られたものの引き続き底堅く、売り上げは129.9%、19年比では売り上げ93.6%となった。

■喫茶業態
・台風により休業や時短営業を余儀なくされた店舗があったが、観光地や商業施設立地の店舗では客数が増え、売り上げは123.8%、19年比で94.5%となった。