Food Biz WEB エフビー短信   No.0463

2024/05/28
JFの外食市場動向調査(2024年4月度)

<全体概況>
4月は全国的に桜の開花が遅れたことで花見需要が昨年より増え、また春の歓送迎会の後押しもあり、外食全体の売り上げは前年比106.0%、19年比115.1%となった。全国各地では国内外からの観光客の消費が活発であったが、コロナ禍が明けて一年近くが経つ現在、物価高騰が続き、低価格重視の消費志向が高まる傾向にあり、利益を伴う売り上げ増はおおむね前年ほどではない。

<業態別概況>
■ファストフード業態
・FFは引き続き好調で売り上げ105.4%、19年比では128.6%となった。
・「洋風」は、割引キャンペーンの集客が従前に及ばなかったものの、高付加価値メニューの好調で売り上げ104.3%。「和風」は、販促キャンペーンやお得メニューの充実で夕食需要が高まり、売り上げ106.7%。「麺類」は、人気メニューの店頭訴求などが奏功し、売り上げ110.2%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、客単価が伸びて、売り上げは101.3%となった。「その他」は、4月の高温傾向の中で「アイスクリーム」が好調で、売り上げ111.4%となった。

■ファミリーレストラン業態
・FRは全体売り上げ107.0%、19年比では106.1%となった。
・「洋風」は、注文するメニュー品目数の増加などで客単価が上昇、売り上げは109.2%となった。「和風」は、歓送迎会や花見に一定の需要があり、売り上げ106.9%となった。「中華」は、販促キャンペーンの展開で好調を維持し、売り上げ107.7%。「焼き肉」は、昨年比で休日数が減少し客数も減少、昨年の販促キャンペーンの反動などで、売り上げ98.9%となった。

■パブ・居酒屋業態
・「パブ・居酒屋」は、「パブ・ビアホール」で週末の天候不良が若干影響したが、人流の回復傾向や年度初めの歓送迎会の需要で、売り上げ105.7%、19年比で69.1%となった。

■ディナーレストラン業態
・花見需要のずれ込みで、訪日外客をはじめとした利用客と客単価が増加し、売り上げは103.5%となった。

■喫茶業態
・客数の回復が堅調で、大型商業施設や観光地などで継続して売り上げが伸び、季節メニューの好評とあいまって、売り上げ108.6%となった。